症状について
腰の痛み
急性腰痛(ぎっくり腰)
重い物を持ち上げようとした瞬間、急に体をひねった時、くしゃみをした時など、日常の何気ない動作がきっかけで、腰の筋肉や筋膜、靭帯、椎間関節といった組織が急に損傷(捻挫のような状態)して起こります。筋肉や組織が悲鳴をあげている状態です。その場にうずくまってしまうほどの激痛が走ります。突発的で強烈な痛みが特徴です。体を動かそうとすると激痛が走り、寝返りや起き上がり、歩行も困難になります。
慢性腰痛
長時間のデスクワークや運転による悪い姿勢、運動不足による体幹筋力の低下、筋肉の柔軟性の欠如、ストレスなど様々な要因がじわじわと腰にダメージを蓄積させた結果として発症します。
「重い」「だるい」「鈍い」「張っている」といった、すっきりしない痛みが続きます。激痛ではないけれど、常に腰の存在を意識してしまうような不快な痛みです。朝起きた時に腰が固まっていて動き出すのが辛い、夕方になると疲れと共に痛みが強くなる、じっと座っていると痛くなるなど。
腰椎椎間板ヘルニア
背骨の骨と骨の間でクッションの役割をしている「椎間板」という軟骨組織があります。これをあんパンに例えると、中のあんこ(髄核)が、強い圧力や加齢による劣化で、パン(線維輪)を突き破って外に飛び出してしまう状態がヘルニアです。この飛び出したあんこが、すぐそばを通っている神経を圧迫することで、激しい痛みや痺れを引き起こします。おじぎをするなど「前かがみ」の姿勢になると、飛び出したヘルニアがさらに神経を圧迫するため、痛みや痺れが強くなる傾向があります。
腰部脊柱管狭窄症
主に加齢が原因で、背骨の中にある神経の通り道である「脊柱管」が狭くなってしまう病気です。長年使ってきた背骨の骨が変形してトゲ(骨棘)ができたり、背骨を支える靭帯が分厚くなったりして、神経の通り道を圧迫します。古い水道管の内側が錆びて狭くなり、水の通りが悪くなるようなイメージです。体を「後ろに反らす」と脊柱管がさらに狭くなるため、痛みや痺れが強くなります。逆に、体を「前かがみ」にすると脊柱管が広がるため、症状が楽になります。
腰椎すべり症(分離症)
「分離症」は、成長期にジャンプや腰の回旋を繰り返すスポーツ(野球、バレーボール、サッカーなど)を行うことで、腰椎の一部に疲労骨折が起きて分離してしまう状態です。この分離症がベースにあって、加齢によって椎間関節が緩んだりすることで腰椎が前方にずれてしまうのが「すべり症」です。すべりの程度が大きくなると、脊柱管が狭められて、脊柱管狭窄症と同じような足の痛みや痺れが現れます。
坐骨神経痛
お尻から足にかけて伸びる坐骨神経が圧迫・刺激されて起こる、痛みや痺れなどの症状です。腰痛に引き続いて発症することが多く、お尻の奥、太ももの裏、ふくらはぎ、足先にかけてピリピリとした痛みや痺れが現れます。腰椎椎間板ヘルニア、腰部脊柱管狭窄症、腰椎すべり症の症状として現れることもあります。
肩凝り・首凝り・頭痛
肩凝り
人間は二足歩行をするために、もともと首や腰に負担がかかりやすい体をしています。首から肩にかけての筋肉が姿勢を保つために緊張し、血行が悪くなって、重く感じるのが肩凝りです。
肩凝りを引き起こす主な要因としては、筋肉疲労と血行不良、末梢神経の傷などがあります。首と肩の周辺には、さまざまな筋肉があります。これらは重い頭や腕を支えて立っているだけで、緊張し続けています。緊張が続くと筋肉が疲れて疲労物質がたまり硬くなります。それが血管を圧迫して血液の循環を悪くしたり、末梢神経を傷つけたりして、凝りや痛みを起こします。
また、血行不良になると、筋肉に十分な酸素や栄養が供給されず、筋肉に疲労がたまって、ますます筋肉が硬くなってしまいます。デスクワークなどで長時間同じ姿勢をとっている。椅子と机のバランスが悪く偏った姿勢を続けている。かばんをいつも同じ方の肩にかける。長時間冷房のきいた部屋にいて体が冷えている。など、偏った姿勢を続けたり、緊張した状態を続けたりしていると筋肉が疲労して肩凝りが起こりやすくなります。
首凝り
首に負担がかかる姿勢や動作を長時間続けることが主な原因です。スマートフォンをのぞき込んだり、パソコンを長時間使用したりすると、ついつい頭が前に出て、前かがみの姿勢になりがちです。
一般的に人の頭は約5Kgの重さがあるといわれており、首の真上に乗っていれば首への負担は最小限にとどまります。しかし頭を前に傾けると首に負担がかかり、30度傾けただけで通常の約4倍、重さは約18Kgに。つまり、前かがみの姿勢は首に大きな負担がかかってしまうのです。
猫背、ストレートネックが常時、前かがみの姿勢になります。「凝り」とは、筋肉が硬くなったり、こわばったりした状態のことをいいます。首と肩はつながっており、首凝りと肩凝りの違いは自覚症状が首に出ているか肩に出ているかだけです。そのため、首凝りといっても肩や肩甲骨周辺も含めた広い範囲に症状が現れると考えてよいでしょう。凝りと痛みは、別物だと考える方も多いかもしれませんが、実は凝りが高じたものが痛みです。
肩凝り・首凝りからくる頭痛
後頭部の頭痛、頭全体の圧迫感、締め付けられるような頭痛の場合は、肩凝り、首凝りが原因の緊張型頭痛です。一次性頭痛のなかで最もよくみられる頭痛です。後頭部から頚部(首)、肩にかけての筋肉が過剰に緊張すると、筋肉の血流が悪くなり、痛みを生じる発痛物質が放出され痛みを感じます。締め付けられるような痛み、頭の圧迫感、目の奥の痛み、吐き気、めまいや浮動感を感じる事があります。緊張型頭痛はうつむき姿勢と関係が深く日常の姿勢が大切です。デスクワークで下を向き続けたり、パソコンの画面を見続けたり、車の運転で長時間前方に意識を集中していたりすると、知らず知らずのうちに頭頚部の筋肉に負担をかけています。緊張型頭痛が夕方や仕事終わりに起こりやすいのは、日中長い時間、同じ姿勢でいることがひとつの原因です。
膝の痛み
主な原因は加齢や肥満、筋肉量の低下による「変形性膝関節症」やスポーツなどによる使いすぎです。 急激な腫れや強い痛みがある場合は「痛風」や「化膿性膝関節炎」の可能性もあります。
変形性膝関節症
膝関節の軟骨がすり減ることで、痛みや炎症による動かしづらさが生じる疾患です。加齢や膝への負担、筋力低下、肥満、過去の怪我などが関係します。初期には立ち上がりや歩き始めに痛みが出ることが多く、進行すると階段の上り下りや歩行にも支障がでてきます。
半月板損傷
半月板は、大腿骨と脛骨の間にある軟骨組織で、膝にかかる衝撃を和らげる役割があります。スポーツ中の急な方向転換や転倒、交通事故などで強い力が加わると、半月板が損傷することがあります。また、加齢によって半月板が傷つきやすくなり、軽い動作でも損傷する場合があります。痛みのほか、膝の引っかかり感、曲げ伸ばしのしづらさ、膝がロックするような症状が出ることもあります。
膝靭帯損傷
靭帯損傷は、転倒やスポーツ外傷などで膝の靭帯に強い力が加わり、損傷することで起こります。膝には、前十字靭帯、後十字靭帯、内側側副靭帯、外側側副靭帯などがあり、損傷した靭帯によって痛みの場所や症状が異なります。痛みのほか、膝の不安定感、腫れ、歩きにくさなどが出ることがあります。
鵞足炎・腸脛靭帯炎
スポーツや膝の使いすぎによって、膝周辺の腱や靭帯に炎症が起こる疾患です。鵞足炎は膝の内側に痛みが出やすく、腸脛靭帯炎は膝の外側に痛みが出やすく、ランニングやジャンプ動作、長時間の歩行などがきっかけになることがあります。
手足の痺れ
痺れの原因は、主に脳、脊椎、末梢神経、内科的疾患から起こることがほとんどです。
脳に原因がある痺れ 脳血管障害(脳出血・脳梗塞)、脳腫瘍
脊椎に原因がある痺れ 変形性脊椎症(脊柱管狭窄症)、椎間板ヘルニアによる座骨神経痛
末梢神経に原因がある痺れ 胸郭出口症候群、手根管症候群
内科的疾患が原因の痺れ 糖尿病性神経障害、ビタミン欠乏症
肩が痛い・腕が上がらない
四十肩・五十肩(肩関節周囲炎)
40歳代から50歳代に多くみられる加齢の症状です。肩関節の組織(関節包や腱板など)に炎症が起き、激しい痛みや腕が上がらないなどの可動域制限を引き起こす疾患です。
炎症期(発症~数週間)何もしてなくても痛む、夜眠れない
(夜間痛)服の着替えで激痛が走る時期です。この期間は炎症を抑えることが最優先です。
拘縮期(数ヶ月~)ズキズキする痛みは徐々に引きますが、関節が硬くなり癒着、「肩がロックされた」ように動かなくなる時期です。
肩腱板断裂
肩の関節を支える4つの筋肉(腱板)が、怪我や加齢によって切れてしまう病気です。腕を上げようとしたときに痛みだけでなく「力が入らない」と感じるのが特徴です。四十肩・五十肩と間違えられやすいですが、反対の手で支えれば腕を上げられる場合は腱板断裂の可能性があります。
石灰沈着性腱板炎
肩の腱にカルシウムの結晶(石灰)が溜まることで、突然の激しい痛みを引き起こす病気です。少し動かすだけでも強い痛みがあり、夜も眠れないほどの激痛になることがあります。40歳代から50歳代の女性に多くみられます。